作品投稿日 : 2018年09月25日(火) 12:53
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- 作品説明
- 前回のあらすじ
力を試すため入部テストが行われた。唐突な勝負であったが、ゴッドファイターロボの機動力と運動性で見事勝利を飾ったのであった。
「はあ………疲れたというかなんていうか」
「だいぶ振り回された日だったな」
ロジャーを肩に乗っけて、俺は商店街を歩いていた。
「おっ、コウキじゃないか!どうした?」
そう声をかけてくれたのは、唐揚げ屋のおっちゃんだった。今は時間帯的に店が空いているのだろう、テイクアウトの窓口から身を乗り出して手を振ってくれた。
「こんばんは。まあ、中学で、色々ありまして……」
「アソブロックの件かい?」
「あ、はい」
「知ってるよ!あの世界王者のヘキサゴンと戦ったんだって?」
「それ言わないで下さいよ。周りからの視線、気にしちゃうじゃないですか」
事実、商店街はいつも通り人が多く、上手く人ごみに混ざれるかと思ったが、視線を感じる。
SNSの拡散力と、あの人の凄さを実感させられた。
「あと、進路は決めたのかい?この感じだとアソブロック推薦で………」
「そこまではまだ考えてないです。もう日が暮れるので、今日はここらへんで」
「おう。気ぃ付けな」
おっちゃんは笑顔で手を振り、仕事に戻っていった。
俺はまた家路へと歩き出した。
▼▽
交差点を横断し、通りを北上して、自宅でsる店が目に入った。
と、そこには黒いコートを着た、長身の男が店前に立っていた。
「やあ、コウキくん。待っていた」
「えっと、あなたは………ヘキサゴンさん、でしたよね?」
「さん付けしなくていいよ」
フッ、と、ヘキサゴンは息を吐くと、店の中へ入っていく。
センサーが反応して、ピロピロ……と音がたつ。
「いらっしゃーい。……あれ?コウキ?その人って」
「ヘキサゴンです」
「は、はあ………」
周りでは、陳列されている品を眺めていた人も、会計を済ませて帰ろうとしていた人も足を止めて、ザワついている。
「え、あれ、Mr.ヘキサゴン!?」
「ウソだろ、突然こんなところに」
そんな声も聞こえてくる。また、スマートフォンを取り出して、撮影しようとしているひ人も見受けられた。
「うーん、ここじゃあ改まって話が出来ないな……。コウキくん、どこか静かに話が出来るところはないかい?」
店内の騒々しさに、俺に尋ねてきた。
「あ、じゃあ、家に上がって貰った方がいいですね。母さん、家に上がらせていい?」
「まあ、みんな知っている人だし、いいわよ」
「ありがとうございます」
「こっちです」
俺はレジの裏にある自宅との通用口に案内し、家に上がらせた。
「…………さて、君に渡したい物がある」
「はい?」
と、ヘキサゴンは懐から、一枚のカードを出した。
データカードダスのカードのようなそれは、黒光りして、何やらラメ加工がされているらしい。
「これはAWC日本代表選考会の次世代選手特別枠の出場チケットだ。これを使って、俺のいるところまで、這い上がって来い」
次世代選手特別枠。意味はそのままだろうが、初めて聞く単語が飛び出してきた。
「次世代選手特別枠?」
「世界トップクラスの選手………こんなことを言っては少し気が引けるが、私のような選手には、次世代の選手を育てるためにこのようなチケットが渡されていてね。将来有望な選手になるであろう者達を、この大会に招待しようという魂胆で始められたんだ」
「そんなものを何故、始めたばかりの俺に?」
「お前達には、特別な素質がある。前に戦った時、感じたんだ。お前達は、絶対に私の心を、滾らせてくれるだろう」
彼は笑みを浮かべる。フードで彼の目は見えないが、おそらくこちらをまっすぐな目で見ているのだろう。
俺の中に、何か熱いものが湧いてきた。
「………俺、強くなります」
「そうか」
「強くなって、必ずあなたを超えて見せます!!」
俺はヘキサゴンを指差し、宣言する。
「その意気だ。楽しみにしてるよ」
一言残すと、ヘキサゴンは、そのままもと来た通用口から出ていった。
「AWCか………」
ロジャーは呟く。
通常ならば選考会のチケットはアソブロック協会に登録している団体と、協会の公認大会でレートを重ねた有力選手500人に配られると会長から聞いている。
チケットのを手に入れることは困難なのだ。
そんなものが、今この手にあるのだ。そう安安と手に入る物ではない。
「あと2週間、だよな」
「あ、ああ」
「………やるしかないな」
「分かった」
特訓が始まった。
▼▽
「………遂に届いたわね」
「「「「選考会チケット!!」」」」
翌日。部室では選考会チケットを前に、とてもピリピリとした空気が流れていた。
「手にするのはあたしよ!」
「赤坂さん………いつもあなたについていますけれど、今回ばかりは譲れませんよ!」
いつもはなんだかんだ言って中がいい赤坂、西脇、立仙の3人だが、今日は違う。
選考会チケットを得るため、みんな必死なのだ。
「チケットは一枚だけ。今から何をするか、分かっているわよね?」
会長が部員に呼びかける。その手には、くるくる巻いてある紙。
それを黒板に貼り、みんなに見せた。
「チケット争奪トーナメントを開催します!」
会長の発表と共に、うおおお、と、歓声が響いた。
しかし。
「でもトーナメント表が完成していないのでまず完成させまーす」
俺も含めた部員が一斉にズッコケた。今から始めるんじゃないのかよ。
トーナメントはくじで決めた。俺達は第6試合。相手は………
「おう。リベンジだ」
「出口!」
まさかこんなに早く再戦するとは思っていなかった。というか出口もアソブロック部だったなんて初耳なんですが。
「前はお前が初めてだったから油断したが、今度は容赦しないからな!」
「おう!かかってこい!」
選考会チケットがかかっているんだ。みんな本気を出すだろう。
「なあ、なんでチケット持ってること話さないんだ?」
ロジャーが周りに聞こえないように耳元で話してきた。
「うーん。トーナメントから外されるかもしれないし、何よりみんなの本気とぶつかってみたいからね」
「何より、ここで負けたら、ヘキサゴンに顔向け出来ない」
俺はトーナメント表の頂点を見つめた。
★☆
「強かったな………」
人通りの少ない路地。まだ明るいうちに、天川は家路へ急いでいた。
試合は3日続き、最終的に私と麻生くんとの一騎打ちの末、勝ったのは麻生くん。こういう事を言っては悪いけれど、ぽっと出が我がアソブロック部代表となった。
ただ、麻生くんの実力は本物。アソブロッカーズであるロジャーとのコンビネーションも抜群で、まるで何年もアソブロックをやってきたようなものであった。
「私も、一回出てみたかったな……………」
しかし、夢の舞台。私だって立ってみたかったことに変わりはない。
「………ううん、今は代表である麻生くんを応援しなきゃ!」
だが、そうウジウジしてても仕方がない。思考を切り替えて、自分のできることをやる。
そう思ったときだった。
ダッダッダッ。
誰かが後ろから走ってくる音が聞こえた。
その音の方へ振り返る。
と、
「どいてっ!」
女の声がしたと思ったら、
ガン!!
額に衝撃が走り、そのまま後ろへ倒れてしまった。
「いたたたたた………」
額をさすりながら起き上がると、目前には、同じく額をさすりながら起き上がる女性がいた。水色の紙をしていて、私より少し小柄。白衣を着ていて、その手には、ジュラルミンケースが握られているは
どうやら、相手は走ってきて、避けきれずにぶつかったらしい。
「あー。いたた………ん?」
不意にその女性と目があった。
「そ、そうね。これも運命ね!分かったわ。あなたにこれをあげる」
と、徐にそのジュラルミンケースを差し出してきた。
「はい?」
その女性は、私の肩を掴んで、顔を近づけてきた。
「この中には、世界を変えるカギがあるわ。これを使って、あなたはAWCを勝ち抜きなさい」
「え?え?」
いまいち喋っていることが突拍子もないことなんですが。世界変える?
「この中には、人類の希望と絶望が詰まっているわ。使い方を誤れば、」
誤れば?
「人類は地球上から消えてなくなるかもしれない」
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